黒味岳

黒味岳コース

黒味岳高低表


黒味岳パノラマトレッキング コース解説

●淀川登山口
淀川登山口標高1300mにある宮之浦岳ルートの登山口です。
小さな駐車場とお手洗いがあります。
ここで、しっかりと準備体操をして、スタートです!


●淀川大杉?!
淀川大杉顔を見上げてみると、立派な杉の巨木があります。
名前は付いていませんが、樹齢1000年以上のヤクスギの巨木です。


杉に杉が着生して育ったのか?太い幹が二本伸びています。
このルート上で見る、一番大きな杉ではないかと思います。


●ツガ/モミ林
ツガ/モミ林周りには、スギだけではなくマツ科の針葉樹、ツガ・モミの巨木が育っています。
ツガ・モミは一見よく似ていますが、慣れると区別がつくようになります。挑戦してみてください。
マツには松ぼっくりがあるように、ツガには栂ぼっくり、モミには樅ぼっくりがあります。
どんなに大きな巨木でも、始まりは小さな種だということを自分の手にとって感じることが出来るかもしれません。


●淀川
淀川登山口から40~50分程歩くと、淀川小屋(避難小屋)に到着します。
その手前には水場があり、お水を汲み足すことが出来ます。そして、そこを通り過ぎていくと、「淀川」が流れています。屋久島では、「川/河」を「こ」や「ごう」と呼ぶので、淀川は「よどごう」と呼ばれています。
水は、本当にそこに水があるのだろうか?というくらい透明で、澄んでいます。周りに生えているヒメシャラのオレンジ色や、春にはサクラツツジのピンク色、そして、秋には紅葉の赤色が水面に映ってとても美しい情景となります。


●高盤岳展望台
高盤岳展望台登山道を少し左側に入ったところに、見晴らしの良い展望台があります。
そこへ出てみると、正面には、まるで豆腐に切れ目を入れたような大きな岩が標高1711mの高盤岳の山頂にあります。
見た目の通り、「トーフ岩」という名前が付いています。
ひとつの切れ目の幅は、人が通れるくらいの広さです。


●小花之江河/花之江河
小花之江河/花之江河しばらく続いた上り坂を登りきると、日本最南端に位置する高層湿原、小花之江河(こはなのえごう)/花之江河(はなのえごう)に到着します。
5月頃には、小さなコケスミレがミズゴケに混じって咲いています。
屋久島の高地湿地に生育する固有変種で、草丈3センチほどの小さなスミレです。じっと、目を凝らして探してみてください。
花之江河まで来ると、正面に黒味岳が見えます。


●ヤクシマミツバツツジ/ヤクシマシャクナゲ
ヤクシマミツバツツジ/ヤクシマシャクナゲ5月頃から、黒味岳の山頂付近では、ヤクシマミツバツツジやヤクシマシャクナゲなどのツツジ科の植物が咲き始めます。
ヤクシマミツバツツジは、 サクラツツジよりも濃い赤紫色で、花之江河などから少し遠目に見ても、その色合いが目を引きます。
ヤクシマシャクナゲは、屋久島の花の中でも一番華やかで、主役的な存在です。


●山頂付近の矮小化した植物たち
山頂付近の矮小化した植物たち7月から8月にかけて山頂付近では、本州に近縁種をもつヤクシマコオトギリ、ヤクシマフウロや固有種のヤクシマシオガマ、ヤクシマリンドウなどの矮小化した植物たちが咲き始めます。


山頂付近の過酷な自然条件を生き抜いてきた植物たちに勇気をもらえるかもしれません。


●山頂
黒味岳山頂標高1831m黒味岳の山頂も、高盤岳のトーフ岩と同じ大きな花崗岩です。
天気が良ければ、周りの山々、宮之浦岳、栗生岳、翁岳などが見渡せます。
遠くをぐるっと見渡したら、今度は木を見てください。
普段、森の中を歩いているときは、下から木を見上げることが多いですが、山頂では、上から眺めます。始めは、どれがどの木かわからなくても次第に、それぞれの形など、特徴がつかめてくるでしょう。山の上、岩の上で、ゆったりと、屋久島の風を全身で感じてみてください。