太忠岳
太忠岳パノラマトレッキング コース解説
●森泉からの太忠岳
太忠岳へ行くには、ヤクスギランドの散策150分コースを抜けて行きます。
天気が良ければ、ヤクスギランド入り口から太忠岳、天柱石が望めます。
森泉には、休憩所やお手洗い、おみやげ屋さんがあります。
屋久杉の切株で作られたユニークな公衆電話ボックスもありますよ。
●荒川橋/荒川渓流
屋久島の電力の源となる、荒川ダムの上流にあたる川です。
屋久島が岩の島だということ、そして、その岩の上で植物たちが生きているということを感じて頂ける風景です。小さな石が作り出す、ポットホールも見られます。
屋久島の森の中にいると、いつも何処かから水の流れる音が聞こえてくるので心地よく歩けます。
●蛇紋杉(倒木)
平成9年に、台風で倒れた屋久杉です。倒れた今では、その倒木の上で次世代の杉たちが育っています。
幹の特有の模様から、この名前が付いたと言われています。
根の方を見ると、まるでオブジェのような複雑な形になっています。
屋久島が岩盤なので、根が下へは伸ばせずに横へと張っていたのがとても良くわかります。
この蛇紋杉のあるところが、ヤクスギランド150分散策コースと太忠岳コースとの分岐点になります。
●小花山
名前は付いていなくても、立派な杉はまだあります。
そんな立派な杉をたくさん見られる森です。
江戸時代に伐られた切り株や倒木も多く見かけます。
モヤがかかっている時は、杉を伐る斧の音が奥の方から聞こえてきそうな、根元で休憩している人がひょっこり顔を覗かせそうな・・そんな雰囲気にもなります。
周りには、ハイノキやツツジなどが生えているので、5月頃には白やピンクで賑やかになります。
●天文の森
屋久杉だけではなく、ツガやモミ、ハリギリなどの巨木が育つ森です。
天文年間(1532~1555)に伐採された後に、再生した森であるといわれています。スギと、ツガ・モミは針葉樹で、一見よく似ていますが、慣れると区別がつくようになります。
登山では、つい足下ばかりを見てしまいがちですが、ふと上を見上げてみてください。たくさんの巨木たちがあなたを見ていますよ。
●シャカ杉
森の中を歩いてふと顔を上げると、大きなコブが
いくつも付いている巨木、シャカ杉が立っています。
コブが原因で、江戸時代に伐られることなく残されたのでしょうか?
推定樹齢2000年とも言われます。
近くに水場があり、水の流れる優しい音を聞きながら
この杉が過ごしてきた壮大な時間を想像してみてください。
●水場(ここから急坂)
山頂までの最後の水場です。この水場を過ぎると
しばらく急坂が続くので、夏場は必ずお水を足して行きたいところです。
沢の近くは、静かにして休んでいると、ヒンヤリとした風を感じます。
大量の水を持って行かなくても、水筒があれば沢で水を足すことが出来るます。屋久島の森ならではの特典です。
ここで少し休憩して、この後の登り坂への気合いを入れ直しましょう!
●花崗岩の大岩(雨宿りも出来る大きな岩)
突然、目の前に大きな花崗岩が登場します。
岩の下にいると、転がってこないかと心配にもなりますが、
雨が降っている時はその岩の影で休むことも出来ます。
●太忠岳山頂、標高1497m
天気が良い日は、前方に海、種子島、安房(あんぼう)の集落などが望めます。
愛子岳や荒川ダムが見えることも。最高に気持ちの良い場所です。
下方には、スタート地点の森泉も小さく見えます。
5月下旬には、山頂付近でヤクシマシャクナゲがきれいに色を添えてくれます。
●天柱石
太忠岳山頂にある高さ40m程もある巨大な花崗岩です。
水が浸食して割れた断面が、とてもきれいなウェーブを作っています。まさに名前の通り、天への柱のようにも見えます。
天柱石の麓の奥には、祠が祀られているので、山の神様にご挨拶していきましょう。