屋久島自然情報_5月

屋久島は、とても自然のバリエーションの豊かなところです。
その自然の表情を折に触れてお伝えいたします。


ここ数年の月別屋久島自然情報がわかります。
屋久島へお越しの方は、来島月をクリックしてご参考になさってください。

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5月の自然情報

コンロンカ

崑崙山脈

コンロンカ

屋久島付近を分布の北限とするツル性の常緑低木で、高さ2mほどになります。


純白の花びらに見えるのはガク片で、まるで白い葉っぱをつけているようです。
この白いガク片と緑の葉っぱと黄色い花の取り合わせがとても綺麗で、目を奪われます。


名前の由来は、白いガク片が中国の崑崙山に積もる雪に見立て、この名前が付けられたみたいです。
崑崙山を調べてみると、とても綺麗な山でこんな素敵な名前をもらえて本当に羨ましいです。



'13/5/20update
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ハイノキ

テイカカズラ

5月から6月にかけて、飛行機のプロペラのような白く小さい花が登山道に落ちていたりします。この花の正体はつる性の植物で名前をテイカカズラと言います。


その昔、つる性の植物で髪を結ったり、巻き付けて頭の飾りにしていたことからつる性の植物のことを鬘(かずら)と呼んでいたそうです。その流れで現代でも、つる性の植物の総称を「カズラ」と呼んでいます。


また、「テイカ」とは平安時代から鎌倉時代と変わる激動の時代を生きた歌人藤原定家のことです。なぜ、藤原定家の名前が入っているかは、色々と諸説あり藤原定家の墓地にテイカカズラが生えていたことから由来する説や、愛した女性が忘れられずテイカカズラに生まれ変わって、その女性の墓に絡みついた説などがあります。


このように、名前の由来が分かれば、植物に対するする見方もガラリと変化してきます。名前の由来が分かれば、なかなか忘れません。植物の名前を覚えるのが不得意という方にはお勧めです。



'13/5/1update
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ハイノキ

ハイノキ

この時期屋久島の森を歩いていると、新緑の中にハイノキが満開に花を咲かせています。今年は当たり年との事で、いつもよりたくさんの花を咲かせています。


ハイノキは『灰の木』と書き、和名の由来は、灰汁をとるため枝葉を焼き、出来た灰を染物の媒染剤として使っていたことから、この名前がついたと言われています。


暖地に生える常緑の広葉樹で、高さは4メートルほどになる小高木です。葉のつけ根に短い総状花序をつけ、3~6個の白い花を開きます。


葉っぱの先がすっと細くなっていて、山道でもわりと見つけ易い植物なので、是非探してみてください。

'12/5/16update
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アクシバモドキ

アクシバモドキ

今の季節はツツジの仲間が多く花を咲かせています。皆さんにお馴染みのツツジは、公園や街路樹などで見かける4~5センチほどの赤色や赤紫色のものが多いと思います。


でも今回ご紹介するのは大きさは6~7ミリのとても小さなもの。花は薄い紅色で枝先に下向きに付き、よく見ると花びらの先がくるんとそり返っています。


アクシバという別の植物に似ていることから「アクシバモドキ」という名前が付いています。屋久島の固有種なので、モドキではなく、もっとしっかりした名前が欲しかったなあ~とは思いますが、仕方ありません。


良く着生する植物で、大きな背の高い杉に着生しているものは、なかなか見つけにくいですが、ヤクスギの切り株に着生しているものもあるので、じっと目を凝らして探してみてください。とても小さくてかわいらしい花ですよ。

'07/5/7update
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ヒカゲツツジ切株の上のヒカゲツツジ

ヒカゲツツジ

今、屋久杉の森では、ヒカゲツツジやサクラツツジ、ハイノキ等の花がとても見事に咲いています。普段の森は、緑色や茶色が多いので、今の時期、クリーム色、桃色、白色などがあると、あっ?!と目を奪われます。


淡い薄黄色をしているヒカゲツツジは、杉に着生しているのをよく見かけます。大王杉や夫婦杉、縄文杉の上でも咲いていて、期間限定の髪飾りを付けているようです。やや日陰に生えるので「ヒカゲツツジ」という名が付いたそうですが、必ずしも日陰だけとは限りません。花色がクリーム色で少し地味なので、そう呼ばれるのかもしれません。


山道を歩いていると、慣れない方はどうしても下を向いて足下ばかりを見てしまいがちになりますが、ぜひ顔を上げてきれいな色合いを見て頂きたいと思います。今の季節ならではの森の楽しみ方のひとつです。

'06/5/6update
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ヤクシマシャクナゲ1

ヤクシマシャクナゲ2

ヤクシマシャクナゲ

今、屋久島の山々でヤクシマシャクナゲが満開です。


もうすでに耳にしている方も多いと思いますが、今年のシャクナゲは、10年ぶりの当たり年だと言われています。ツツジの仲間などの花の当たり年は、前年の夏の気温によって決まるようです。平成6年に、四国では「讃岐砂漠」とも呼ばれる水不足がありました。そして、その暑かった夏の翌年、シャクナゲが一斉開花しました。


去年の夏の平均気温は、平年を1.5℃以上上回ったところが多く、西日本では平成6年に次ぐ第2位の記録となりました。特に7月の暑さが厳しく、東京では39.5℃、甲府では40.4℃が観測されたそうです。屋久島でも、8月になって台風が来るようになるまでは、乾き切った苔を見たものです。


その猛暑があったからこそ、今年の10年ぶりのシャクナゲ開花があるのでしょう。これからシャクナゲを見に来ようと考えている方、環境の変化に即座に対応できる植物の強さを感じながら、登山を楽しんでくださいね。ちなみに、淀川入口~宮之浦岳間は、6月初旬からが見どころとなりそうです。

'05/05/29update
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オオキンケイギクオオキンケイギク

オオキンケイギク

ここ2~3日前から屋久島の県道沿いでは、目に飛び込んでくるような黄色い花が咲き始めました。名前をオオキンケイギクといいます。漢字にすると「大金鶏菊」。由来は、太陽の花(ヒマワリ)に似て、黄金色にまぶしく映えて花冠を美しく飾り、その形が鶏のトサカに似ているから・・だとか。


オオキンケイギクは、北アメリカ原産の多年草。明治中頃に渡来し、その後、野生化するものが多くなりました。今では日本各地で河川敷等に大きな群落をつくるのが見られます。


鹿児島では、オオキンケイギクのことを別名「特攻花」と呼ぶこともあります。鹿児島の知覧には、太平洋戦争の末期に沖縄線へ向けて特攻隊員が飛び立っていった特攻隊基地があるのですが、特攻隊員が飛び立った時、オオキンケイギクが咲いていたそうなのです。


花を見て思い出すことや、思い描く風景など、人それぞれ様々な思い入れがあることと思います。このシーズンに屋久島に来られた方にとっては、オオキンケイギクが屋久島の思い出のひとつとなるかもしれませんね。

'05/05/10update
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メヒルギ

メヒルギ

屋久島の南西部にある栗生川の右岸に、少し変わった格好をした亜熱帯の植物、メヒルギが自生しています。
熱帯や亜熱帯地域の河口近く、海水と淡水が混じる汽水域に生えている常緑樹林をまとめてマングローブと呼ぶのですが、メヒルギもその内の一つです。下部にはたくさんの支柱根が出ていて、まるで足が何本も出ているような格好をしています。
このメヒルギ、以前までは左岸にもたくさん自生していたのですが、護岸工事があったため、今は右岸でしか見られません。そして、そのメヒルギ達も、年々減少しているようです。
今、このメヒルギには長さ10-20センチ程の種子がぶらさがっています。この種子は、枝に付いたまま発根する胎生種子という特性をもっています。まだ緑色のものや、熟れて赤くなりだしているもの、8月頃まで見られると思います。
せっかくついたこの種子を、自分たちの手で植えてみませんか?植え方は簡単です。まず、種子を採ります(出来れば熟れたすこし赤いものを)。そして、星形の帽子のようなものが付いている方を上にして植えます。それで完了です。なんだか田植えのようで、思わず夢中になってしまいます。「ここまで」と決めておかないと、きりがないかもしれません。
誰にでも出来る楽しい自然保護「メヒルギ種植え作戦」。ぜひ足を伸ばしてやってみて下さい。

'04/05/08update
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テッポウユリ

テッポウユリ

八十八夜も過ぎ、屋久島ではもう初夏を思わせるような日差しがさし始めていますが、その光の中、春田浜では矮小化した野生のテッポウユリが咲き始めています。


春田浜では、隆起サンゴ礁の上に自生しているため栄養状態も 悪く背の低いいかにも野生といったものが見られます。


テッポウユリは、屋久島を分布の北限とする南西諸島原産の花です。
花屋の店先に売られているテッポウユリのふるさとが屋久島や南西諸島だなんてご存じでしたか?

'02/5/9 update
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ヤクシマシャクナゲ

ヤクシマシャクナゲが咲き始めました

今年もようやくヤクシマシャクナゲの花が咲き始めました。


例年だと5月の中旬にはちらほら咲き始めるのですが今年は春先寒かった所為か少し開花が遅いようです。
でも、ここ数年パッとしなかっただけに森林限界から上のシャクナゲの蕾には期待できそうです。


もうそろそろ屋久島も梅雨入りしそうですが雨や霧の中のヤクシマシャクナゲも素敵ですよ。 ヤクシマシャクナゲは6月中旬過ぎまで楽しめます。

'01/5/30 update
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