白谷雲水峡
白谷雲水峡 トレッキングコース コース解説
●白谷広場
白谷雲水峡の登山口です。
東屋や管理棟があり白谷雲水峡内の案内看板もあります。
さつき吊り橋までは整備された遊歩道になっていますが、そこから奥は登山道になります。
お手洗いも登山口付近にあるので、お済ませ下さい。
●憩いの大岩
屋久島は花崗岩(かこうがん)という岩で出来た島です。
目の前の大きなこの花崗岩を越えて歩いて行きます。
岩というと滑る印象が強いですが、屋久島の花崗岩は結晶構造が大きい為、あまり滑りません。
特に大きな正長石(せいちょうせき)の結晶を含んでいるのが、屋久島花崗岩の特徴となっています。
周りを見渡してみると、岩の上に土はほとんどなく木々は岩の上に直に根を張っていることがわかります。
大雨の時は、この憩いの大岩も滝のようになります。
●渓流沿いの植物
白谷川の渓流沿いには、葉が細く流線型になり、水の流れに適応したサツキやホソバハグマなどの植物達が生きています。
増水の時の激しい流れに耐える為にしなやかな茎と強靱な根を持ち生き抜く姿には、感動すら覚えます。
花の咲くシーズンには私たちの目を楽しませてくれます。
●飛流おとし
屋久島は下が岩盤で、さらに雨が多い為、少しずつ岩が浸食され、こうした滝がたくさん見られます。
飛流おとしは、花崗岩の節理に添って出来たトイ状の滝です。
橋の上では、冷たい風を感じることが出来ます。
特に夏場は、天然のクーラーのようで最高に気持ちが良いですよ。
●さつき吊り橋
さつき吊り橋からは白谷川本流の流れを堪能でき、5月は、ナナカマド、サクラツツジ、6月はサツキ、ヤマボウシ、11月はサザンカ、冬の時期はツバキと季節によりいろいろな花の風景が楽しめます。
●二代大杉
樹高 32m、胸高周囲 4.4m
二代大杉は、屋久島の森でよく目にする二代杉(一代目の株の上に二代目が成長した杉)という生き方がダイナミックに見られる巨木です。
根周りが大きく、大きな空洞もあり、間近で見るとその大きさに圧倒されます。
●奉行杉
樹高24m 胸高周囲8.5m 白谷雲水峡最大の屋久杉。
江戸時代、平木が取れる樹かどうかのチェックをした試し切りの跡が残っています。
平成16年の台風で着生植物がはがされ、以前よりも頭の部分が見えるようになりました。でも、はがされた植物達は、そのまま枯れてしまうわけではなく、また向きを変え成長を続けています。
●楠川歩道
花崗岩を敷いた楠川歩道は、今から400年前の江戸時代に作られたと言われています。
屋久島の花崗岩は滑りにくい岩なので、歩道に使うには良い岩です。
楠川歩道は、江戸時代ヤクスギを加工した板材(平木)を里へ運び出したメインルートで、近年まで小杉谷への最短コースだった為、非常に重要視されました。
この道を男衆がたくさんの平木を下ろし、女衆が食糧を運び込んだと言われています。
江戸時代の人に想いを馳せつつ歩いてみるのも一興ですよ。
●くぐり杉
根元が大きく二股に開いていて、その下をくぐり抜けることが出来ます。
倒木の上に成長した二代杉の一代目が朽ち堕ちて出来た杉ではないかと思っています。このパターンは、屋久島ではあちこちに見られるのですが、登山ルート上にあり、わかりやすい杉です。
くぐると何か御利益がありそうですが、はたしてあなたはどうでしょうか?
●白谷小屋
白谷小屋は昔管理人のいる山小屋でしたが、今は無人の避難小屋となっています。
小屋の中には、お手洗いが有るので、トイレ休憩で立ち寄ります。
●七本杉
樹高 18m、胸高周囲 8.3m
白谷雲水峡内で一番見応えのある屋久杉です。
北側の樹幹には、苔が茂り荒々しさを秘めますが 、反対の南側は、穏やかな老木の木肌をしていて色々な表情のある巨樹です。
上部の枝がいろいろな方向に広がり、森の中で圧倒的な存在感を示しています。
●もののけ姫の森
平成9年に放映された宮崎駿監督によるスタジオジブリのアニメーション映画「もののけ姫」は、この白谷雲水峡が舞台になったといわれています。
この映画がきっかけとなり、白谷雲水峡の苔の森の人気度も上がりました。
映画では、コダマという白いキャラクターが出てきますが、本当に木霊(こだま)が出てきそうな深い苔の緑色が広がっています。
潤いのある苔の世界に浸ってください。
●太鼓岩
太鼓岩は、大きな花崗岩の一部が森の斜面から露出している場所です。太鼓岩の上に立つと目の前には、奥岳や安房川、小杉谷を一望できる大パノラマが広がります。
※太鼓岩まで行きたいという方は、申し込みの際、備考欄に「太鼓岩まで希望」とご記入ください。
●弥生杉
看板には、樹齢3000年と書かれていますが、上部の方で折れた杉の上に更新した二代杉のパターンだと思われます。1999年に幹を切り取られるという事件があってから縦筋にかなり朽ち堕ちてしまいました。
下山時に時間があると立ち寄ります。弥生杉下白谷広場までの照葉樹林は、イスノキやアカガシの巨木の生える見応えのある森となっています。
●お弁当
エコツアーには、美味しい手作り弁当が付いています。
沢や風の音を聞きながらゆっくりとした昼食時間を取ります。野外で食べるお弁当は、格別です。
また山中の水でいれた温かい飲み物は、少し疲れた体を癒してくれて、新たな元気が出てきますよ。