屋久島自然情報_4月
屋久島は、とても自然のバリエーションの豊かなところです。
その自然の表情を折に触れてお伝えいたします。
ここ数年の月別屋久島自然情報がわかります。
屋久島へお越しの方は、来島月をクリックしてご参考になさってください。
4月の自然情報
アキグミ
4月から5月にかけて、屋久島の麓ではアキグミの花が満開です。ラッパ状の白い花と白っぽく見える葉っぱが、見ているこちら側にとても柔らかく優しい印象を与えてくれます。
アキグミはマメ科の植物同様に根についている根粒菌(こんりゅうきん)という菌と共生していて、空気中の窒素を栄養として活用できるため、土壌の条件が悪くとも日当たりが良ければ生育することができる特徴を持っています。
和名は、秋に真っ赤なグミの実ができることから名前がついています。このグミの実は生でも食べられますが、タンニンの多く含むため渋味が残ります。子供時代におやつ代わりに食べられた方もいらっしゃるかもしれませんね。食べ過ぎると便秘になるようなのでご用心。
ジャムや果実酒にして楽しむのもお勧めです。
'15/4/6update
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アカガネサルハムシ
屋久島も4月下旬に差し掛かり寒い日もありますが、里では半袖でもすごせる日がでてきました。
例年だと山岳部の森でもいろいろな虫を見かけ始める季節です。今年は1週間半ほど季節が遅れています。
ところで写真の虫の名前はアカガネサルハムシです。里~白谷雲水峡ぐらいで4月下旬以降たまに見かけます。とても色がきれいな虫で虫嫌いの人でも好きになれるかも。
この虫の亜種でトカラ列島には全体が金緑色のものが、奄美には背面が青緑色のものが生息しているそうです。屋久島とそれほど距離は離れていないのに色が違うのが面白いですね。
虫好きなかたは各地のアカガネサルハムシを見るために旅行する方もいらっしゃるそうです。
本州でも庭先にいる可能性がある虫ですので、庭を観察してみてはいかがでしょう。
'11/4/24update
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アセビ
今年の屋久島は例年よりも寒い春でした。
先日(4/19)も宮之浦岳では新たに5cmほど雪が積もりました。季節の移り変わりが1週間半ほど遅れているように感じています。
ところでこの木の名前はアセビです。屋久島では標高1000mぐらいから生えている常緑の低木です。だいたい4月下旬ぐらいから淀川登山口~黒味岳、宮之浦岳で咲き始めます。白い花が春の涼しい風にぴったりです。
和名は馬酔木(あせび)で、馬がアセビを食べると酔ったようにフラフラになるところから名前がついています。
有毒な植物で枝葉の煎じ汁を、汲み取り便所や野菜の害虫駆除に使っていたそうです。
'11/4/24update
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ミヤマシキミ
縄文杉や白谷雲水峡のルートを歩いていると、一ヶ月ほど前からあちこちに咲いている花があります。
ツヤツヤして厚手の葉っぱとその付き方は「シキミ」にそっくりですが、白い小花が集まった様子は全然違う姿。近づくと爽やかな良い香りがします。
この木の名前は「ミヤマシキミ」。
良い香りがするのもそのはず、ミカン科の木です。
「シキミ」も今の時期に咲いていますが、「シキミ」が有毒な為「悪しき実」から名がついたように、この「ミヤマシキミ」もまた有毒です。
「シキミ」と「ミヤマシキミ」は科は全く別の植物なのですが、調べてみると、両方とも「シキミン」という同じ毒成分を含むようです。
誤って口にすると、下痢や呼吸困難、痙攣などを起こすのですが、毒は薬にもなるということで、古くは頭痛や目まいなどの民間薬として利用されていました。
この「ミヤマシキミ」、秋になれば、センリョウ、マンリョウと共に真っ赤な実をつけ、遠くからでも見つける事ができますよ。
'10/4/4update
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クロバイ
4月に入ってから続々と花が咲き始め、新緑の緑色と合わさって山が賑わいでいます。
ここ数日で満開を向かえているのは「クロバイ」。照葉樹林の山肌にぽつりぽつりと、目を引く白いものがあります。小さな白い花を穂状に付けているクロバイの花です。ひとつひとつの花は1cm弱と小さいですが、それがいくつも集まって目を引くまでの塊となっているのです。普段花がない時は遠目だとどれがクロバイか判断することは難しいですが、今のシーズンは一目で分かります。
クロバイの名前は同じ仲間のハイノキと同様木灰を染色の媒染剤として利用したことと、樹皮が黒っぽい色をしていることから【黒・灰=クロバイ】と付いています。
里から見える範囲での山間部でも生育していますので、少し車を停めて春の暖かい風を感じながら山肌を探してみてくださいね。
'09/4/14update
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シキミ
春になるとたくさんの花が咲き始め森の中もいつもより賑やかになります。
森を歩いていて花を見かけると「初めて見た」という声と「これは知ってる!」という声といろんな声が聞こえてきます。
さてこの薄黄色の花はご存知の方も多いのではないでしょうか?お仏壇にお供えする「シキミ」です。
葉をちぎると柑橘系のような良い香りがするのですが、有毒で特に果実・種は猛毒です。その為、昔の人が「悪しき実(あしきみ)」と呼んだところからシキミという名前が付いたそうです。
実も良い香りがするので知らない方は食べれるのかなと一瞬思ってしまいそうですが、良い香りにつられて口には運ばないように注意してくださいね。
視覚だけでなく嗅覚も楽しめる季節です。
'07/4/28update
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甘く熟したオオバライチゴ。
いちご採り
1週間程前、道を歩いていると5センチ程の白い花がたくさん咲いているのを見かけました。何の花だったかというと、昨年もこの『屋久島自然情報(05/3/17)』でお伝えした「オオバライチゴ」の花でした。
こんなに咲いているのなら実のなる時期が楽しみだと思っていたら、もう先日いくつものイチゴがなっていました。だいたいの大きさは1センチ程ですが、2センチ程の大ききいものもありました。よく熟れている赤紫色のものは、甘くてとても美味しいです。
道を歩いていてイチゴを見かけたら、ぜひ一つ摘んでみてください。まだ所々に花も残っているので、目印になってくれると思います。でも、見つけたら思わずすぐに手を伸ばしてしまいそうですが、枝にはトゲがついているので注意してくださいね。
'06/4/9update
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ホテイチク
四月!!屋久島はタケノコのシーズン到来です。
竹の原産地は、主に南西アジアからヨーロッパにかけてといわれています。
竹といっても様々な竹があります。
竹の代表的なものとして、モウソウチク(孟宗竹)という竹があります。孟宗竹は、中国江南地方の原産で、16世紀に琉球経由で薩摩に移植されたという説があります。
この前家の近くの竹林でもこの孟宗竹のタケノコが立派に生えていました。
この孟宗竹、名前の由来ご存知ですか?
病気の母のためにタケノコを掘って食べさせた孝行息子の孟宗さんにちなんでつけられた名前だそうです。
それから、ホテイチクという細くてあくがないタケノコもちょうど今の時期、島の南部でにょきにょきと顔を出しています。皮をむいてそのままみそ汁や煮付けに使えます。地元の人はコサンダケと呼んでいます。
ダイサンチクという竹も、屋久島では食べられています。あまり市場には出回らない種類のタケノコです。主に中国南部や東南アジア全域に分布し、たけのこの食味が良いということで、屋久島の竹のなかではこのダイサンチクが一番おいしいという人もいます。このタケノコの収穫期は6月から10月で、普通のタケノコとは時期がずれて収穫できます。
屋久島はこのタケノコのように、季節を教えてくれる食材が身近にあります。
私たちのカラダの中にも確実に四季があり、それに即した物を食べることによって、カラダの調子が整ったりします。旬の物に少しずつエネルギーをもらって、日々季節とともに変化していきたいと感じる春の今日この頃でした。
'05/04/26update
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石楠花の森公園
朝晩はまだ冷え込むものの、だいぶ暖かくなってきた今日この頃。
屋久島の栗生にある石楠花(しゃくなげ)の森公園では、ヤクシマシャクナゲが元気よく開花し始めました。
ヤクシマシャクナゲは屋久島に自生する固有植物で、標高1200メートルを越える辺りから多く見られます。蕾の時は赤色で、開花後数日だけピンク色になり、そしてその後白色へと変色します。
開花時期は5月中旬以降なのですが、里にある石楠花の森公園では4月上旬の今、もう咲いています。
バラのように真っ赤なもの、淡く優しいピンク色のもの、様々な色のシャクナゲが混じり合っています。もちろんそれだけではありません。雨粒が乗っているもの、太陽の光できらきらしているもの、いろんなものを使ってまるでおしゃれしているようです。
5月になれば、屋久杉の森や、森を抜けてからの高山で、またひと味違ったヤクシマシャクナゲに出会えるでしょう。楽しいヤクシマシャクナゲのファッションショーに、ぜひとも出かけてみてください。
'04/04/03update
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サクラツツジ
屋久島の海岸付近から標高1700メートルの山頂まで幅広く分布している植物に サクラツツジがあります。
四国南部から台湾にかけて自生する暖かいところを好むツツジの仲間で、屋久町の町花にも指定されています。
花は、淡いピンクでサクラの花が咲いているように見えることから、この名前がつきました。花期も2月から6月までと長く、徐々に山を咲き上がっていきます。
とても清楚な感じのする花で、吉永小百合さんを思い浮かべてしまうのは、年の所為でしょうか?
雨の中で楚々と咲くサクラツツジを観にいらっしゃいませんか?
'03/4/27update
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コショウノキ
甘い香りで春を告げる庭木に、ジンチョウゲがあります。屋久島ではあまり目にしませんが、春の暖かな日には、ときどきその甘い香りを思い出すことがあります。
しかし、標高1,600メートルの花之江河付近には、ジンチョウゲの近縁のコショウノキが自生しています。
初夏に赤橙色の実をつけ、それをかむと少しピリッと辛いので、「胡椒の木」の名前がついています。
ジンチョウゲほど甘い香りはしませんが、屋久島の高地でひっそりと春を告げています。
'03/4/01update
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ルリハコベ
ここのところ寒暖の激しい毎日ですが、日が照ると夏日になることもあります。
そんな中、里の回りでは、いろいろな草木の花が咲き始めました。
良く日の当たる海岸の近くや田畑の畦には、ルリハコべ(左の写真)の群落を目にします。
色鮮やかなハコベに似たルリ色の小さな花をたくさんつけ、可憐に咲いています。
花は1センチ程の小さな物ですが、近づいて良く観ると中心が紅赤色で黄色の花粉をつけています。
屋久島においでになって、こんな小さな世界に 魅了されるのも良い物ですよ。
'02/4/11 update
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ソメイヨシノ
里ではもう一つパッとしないソメイヨシノも標高600メートルの小杉谷ではとても見事に花を咲かせます。
今年は三月上旬、寒波があった為か少し開花が遅いような気がしますが、今八分咲きです。
これから山桜も花を付けて、日本列島を桜前線が北上するように標高1200メートル位まで屋久島の垂直分布を一ヶ月かけて登っていきます。
この様子は、縄文杉ルートで観ることができますよ。
'01/4/1 update
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